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ぴん、と鋭く伸びた一筋の強い線の周りを、
脆く柔らかなものが触れたり離れたりしながら幾つも漂っている――

そんな想いで居城に帰ると、一通の手紙があった。
真夏にもその封蝋はひんやりと氷のように冷たい。
封を切り、中を読んだ。

“お聞きしたい事があります”

2階の自室から窓を開ける。
まだいくらか昼間の熱を孕んだ夜風が吹き抜ける。
眼下に目を移すと、門の側に背を向けて佇む高い影があった。

――――

それは衝動に他ならない。

口をついて零れた言葉。
そして驚くべき彼女の告白。
けれど、それによって氷解していく凝りがあった。
何か熱いものが体を駆け巡るのが分かった。
涙のように。血のように。

自分とよく似た悪魔。
彼女が愛しいと、心からそう思った。

「じゃあ、またね」

“またね”――それはいつまで使える台詞だろう。

見上げれば紺地に白砂を撒いたような星空。
この星空だけは、海の果ての大陸も同じであってくれたら。


部屋に戻って再びランプを灯す。
荷造りより先にしておかなければならない事が山ほどあった。
思いつくだけ書き出して、その全ての実現が可能ではないと思い知る。

手紙を書かなければならない。
否、可能な限り、会いに行きたい。

それから、それから――
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