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loss of memory-3- dream 2007-04-30 Mon
誰かが部屋に入って来た。
私はひどく無防備に眠っている。
普段の私なら、熟睡していても誰かがドアに手を触れた時点でぴりっと直感が目覚め、感覚でその正体を探るものだ。…まるで野良猫のように。
この人は大丈夫。危害を加えるような事はしない。
絶対の信頼と安堵の中で私は眠っている。

その誰かは私の側に腰掛けた。
さすがに私も気付き、少しだけ緊張する。

顔に視線を感じる。私は狸寝入りを決め込む。
その誰かはしばらく黙って見つめていたかと思うと、私の頬を指でふにっとつついた。
私は笑い出しそうなのを必死で堪えている。

でも、そろそろ限界だ。
隙を突いて飛び掛ってやろうと息を詰め――


――目が覚めた。
今度こそ、本当に。現実に。

カーテン越しの外は……まだ暗い。
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その時。 2007-04-24 Tue
一体何が起こったのか。

↓↓↓


大農場の日々 2007-04-22 Sun
アルフィール君の大農場に来て数日。
農場地帯にあってこの家は木と土の匂いが何とも心地良い。
こんなに新鮮に感じるのだから、記憶を失くす以前、私が住んでいたのは農家ではなかったに違いない。

朝と夕に畑の手入れをして、昼は修練や用事に出掛け、夜は談話しながら縫い物。
裁縫が苦手だというアル君の枕カバーを作る事にした。

畑で目下栽培中なのはイガトゲとウルル。
ウルルは以前ドラバニアの家でも品質改良を目指してずっと育てていたから。
イガトゲはあの若草色の葉や茎が好みなのと、もう一つ。
もう何処かへ旅立ってしまったあの子がイガトゲ好きだったから。
「こんなにトゲトゲして可愛いのに、人気がない(育ててる人が少ない)なんて!」みたいな事をよく言ってたっけ。

アリィちゃん…どうしてるかな。
あのハロウィンの頃からあまり姿を見なくなって…最後に話したのは私がBAを出た頃だった。
ダンジョンでモンスターにのされては憤り、コロシアムで人に負けては悔しがっていたあの子。
でも今頃はもっと背も伸びてるだろうし、魔法も達者になって。
踊りを極めて「銭こがわんさと」集まる立派な少女セレブになって、「めんずをはべらせ」ているかな。ふふ。

――最近は何故か昔の事ばかり思い出してしまう。



舞踏会の記念の肖像画が届いた。
なんて可愛いポートレイト!
まるでオルゴールの中で踊る人形のような、小さく愛らしくデフォルメされた私とイザル殿。華やかでディティールに凝った背景。
あの夢のような華麗な時間がそのまま閉じ込められたようで、いつまでも飽きずに眺めてしまった。
エミネさんという子の筆によるものだという。
彼女にも早く御礼に行かなくては。

loss of memory-3- 2007-04-07 Sat
あの日から、ここ数日の間。

たくさんの友人が顔を覗かせてくれた。
そして多くが私が1人でテントに暮らしている事を驚き、何か含みのある言葉を掛けてくる。
早く記憶が戻るといいね、といった具合の。

失くしたその記憶は――私にとって、私を形成する上で、
そんなにも重要なものだったのだろうか。


ともあれ、4月1日から今日までに色々言われた。
「同居する約束をしていたはずだ」という人は、私が慌てているうちに嘘だった事が判明。
ある人には「食事当番だから早く帰って来い」と言われ、てっきりそこで一緒に暮らしていたのかと思えば、そうではなかったらしい。
「100万の借金を早く返してくれ」と言われたが、他の子に話したら「それはもう時効だ」とか…
またある人には「お前には3人の子供がいた」等と謎掛けめいたとんでもない囁きを残された。
それからまたある人には「貴女は私の腹違いの妹」といった衝撃の事実。
私に姉さんがいたなんて…そうか、父はデュークランド人だと思っていたけどヘイアン人だったんだな。…なんて訳あるかー!
さすがに嘘だろうと分かった。

そんな中で「家事と料理を教え合う約束」をしていたというのは本当だったようなので、ひとまずそれを果たす事にした。
短期の予定ではあるが、準備が出来次第その人の家にお邪魔する。
…まぁ準備と言っても今はテント暮らし、大した荷物もないのだけど。

loss of memory-2- 2007-04-01 Sun
 それはエイプリルフールのささやかな悪戯の為だった
 「実家に帰る」と家出して、困らせてみようと
 そう、あの少女が恋人との間に起こした顛末のように

 我が恋人は慌てるか?
 4月の嘘と見抜き、戻って来るのを泰然と待つか?
 そのどちらでも無かったら――

 期待と不安、不穏なときめきを胸に手紙をしたため
 ある品を同封しようと倉庫に向かう

 仄暗い黄昏の倉庫
 灯りを付けんと手探りで歩くうち
 何かが頭に落下した

* * *

――まだ、思い出せない。

今までの事は覚えてる。
生まれ育ったドラバニアの家。母さんの事。
暗殺をしていた頃の事。
ビーストアークに仕官した事。
戦争や国内外での思い出。友達の事。
統一を果たして、旅に出たんだったな。
ナイトメアに来たのはその後で、それから…

うん、問題ない。全部覚えてる。

だけど…何かしっくりしない。
喉元が詰まったようにもどかしい。

…忘れたのは自宅だけ?


仕方ない、しばらく保管所の隣で暮らそう。
思い出すまで。あるいは、良い案を見つけるまで。

テント暮らしも新鮮だな。
春とはいえ北国ドラバニア…毛布はまだ必要か。
残念だけど戦争も終わったし、記憶を頼りに少しずつ手紙の返事でも書こう。

loss of memory 2007-04-01 Sun
あいたたた、くぅ~っ…

(頭をさすりさすり起き上がる)

……。

ん、あれ……?
何してたんだっけ…

ここは…え~っと…あぁ、保管所か。
って…う、うわっ!?
手のひらに血がべったり!!
道理でやたらと頭が痛むはずだよ。
うぅ…早く手当てしなきゃ…


(傍らに落ちていた手紙を見つける)

“実家に帰らせていただきます”

何だこれ。私の字…?
一体誰に宛てたんだろう。
とりあえず、実家に行く途中だったんだな。

実家?
いや、でもあの家はもう手放して、それから…

…今まで私、どこに住んでたっけ?

あたま.jpg

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